製造業のマーケティングにMAツールが必要な理由

3年前にMAツールの”Adobe Marketo”を選定・導入し、今も仕事でがっつり使っている”Markethinkの代表”です。
本記事では、MAツールが製造業のマーケティングに必要だと思う理由を、選定する際に学んだ複数のツールの知識や実際に使っているからわかるユーザー視点でご紹介していきたいと思います。
後半では、ツールの違いなどについても紹介していきます。

(Markethinkのサイトでは、無料のBownowを使用しています。)

MAツールとは

MAツールは、マーケティングオートメーションツールの略称で、「顧客とのつながりを高めるようなマーケティング施策(メールの配信など)」や「顧客の行動による温度感の把握」などをあらかじめ設定したプログラムに従って行うことができるツールです。

例えば、展示会やコンテンツマーケティングで得た「会社」・「氏名」・「メールアドレス」などですが、営業がコンタクトして「将来的に興味がある」程度の方だった場合そのままにしてないでしょうか?
また、対応している場合でも、営業が定期的にコンタクトを取って検討状況を聞いたとしても温度感が低く迷惑がられる事や、顧客数が多く確認に工数がかかるといった問題を抱えているのではないでしょうか?

MAツールの機能を使用すると、以下の繰り返しが可能になります。

「顧客のメールに対する反応やWeb上のアクセスをMAツールが監視」

「顧客の温度感をMAツールが判別」
 ↓
「顧客の温度感に合わせたコンテンツをMAツールが定期的に送付」

これにより、以下のようなメリットがあります。

  • 顧客の温度感にあったメールが送付できて、顧客との関係性を高めることができる
  • 温度感が高くなっている顧客がわかるので、営業は効率的にコンタクトするということができる

MAツールが製造業に最適

先に述べたように便利なMAツールですので、さまざまな業界で使用されていますが、ここからは、特に製造業と相性がいいという話をしていきたいと思います。

理由①:製造業の顧客は知的好奇心が高い

製造業で顧客となる技術者は、「知りたいという気持ちが強く勉強熱心」、「新しいものが好き」という方が多いです。よって、展示会やデジテルマーケティング(コンテンツマーケティング)では、「知りたいというレベルの物」や「面白そうだと思った物」の話を聞いたり、資料をダウンロードしたりします。
そして、この時点ではまだ情報をして興味を持っているだけなので、製品の購入意欲がまだ低く、営業が連絡したとしても「購入の意思がない」に分類されるのがポイントです。
このような形でせっかく出会った顧客に困り事ができた時、「あそこの会社に聞いてみよう」と思ってもらうことができれば、商談の機会は非常に多くなります。

温度感の低い顧客に流入してもらう”コンテンツマーケティングの詳細はこちらを参照ください。
製造業のコンテンツマーケティングをKEYENCEから学ぶ

→MAツールを使えば、興味だけだった顧客との関係性を高めることができる

製造業の技術者に、その人が知りたい技術情報などメールやコンテンツを通して伝えていくと、会社名やメールの送信者のことやどういう技術を扱っているのかを認識してもらえるようになります。
(製品の紹介メールではなく、技術的に価値がある内容を送付する点がポイントです。)
すると自然に、サービス・製品と自分の困り事のつながりを認識したり、困った時に一度相談してみようかなという気持ちなってくれるようになります。

この方法は、BtoCのテレビCMを通してのブランディングにも少し似ています。例えば、ピアノを売ろうと思った時に、「ピアノ売ってちょうだい〜♪」のタケモトピアノさんが頭に浮かびませんでしょうか?日頃定期的に接点を持つことで、いざ行動に移すタイミングで頭に浮かぶ存在になれます。

理由①のまとめ
知的好奇心の高い製造業の技術者は、展示会やコンテンツダウンロードでつながりをもった時点では温度感が低い場合が多い。
MAツールで技術的なインプットを定期的に送付していくと、その技術者が困った時に、困り事と製品サービスのつながりに気づき問い合わせをもらえる可能性が高まる。

理由②:製造業の顧客対象の絶対数が少ない

例えば、顧客数が多い「食料品、日用品、家電製品」などの場合には、常に温度感の高い顧客の流入を狙うという戦略が取れます。
一方、製造業の場合、そもそも顧客が限られていて、展示会や学会では毎年の顔ぶれがあまり変わらないと言うようなことも多々あります。
よって、入手した顧客情報の1つ1つをより大切にして、顧客との関係性を高めていく必要があります。

→MAツールを使えば、1人1人に適したコンテンツを届けることができる

日々、技術者は何通もくるメールの中で、自分に関係がある情報だけを取り入れていきます。
もし、何も考えずに全員に製品情報の羅列のようなメールを送ってしまうと、自分に関係がないと思われたメールは削除され、そのメールアドレスからくるメールは、フィルター設定で”メルマガ”フォルダーに自動的に送られるようになってしまいます。
これでは、せっかく手に入れた技術者の情報と関係性を高めることができません。

この課題に対して、MAツールを使えば、顧客の会社や部署情報、Web上のアクティビティ、メールへの反応、営業のコンタクト結果などを踏まえて、顧客の知りたいこと、温度感を予測して、メールを出し分ける仕組みを作ることができます。
この仕組みを作るのは大変ですが、作ることができれば非常に心強いツールになります。

理由②のまとめ
製造業は、購入対象の顧客が限定されている場合が多いので、1人1人と丁寧なコミュニケーションを行っていく必要があります。
MAツールなら、1人1人の温度感や興味の内容を見極めて、コンテンツを出しわけることができます。

理由③:製造業の製品は購入タイミングが分かりにくい

製造業の製品販売において、顧客の購入タイミングを見逃してしまう要因は2つあります。

(1)製造業の製品の検討期間が長く、購入タイミングが急にやってくる。

検討者が購入者である場合は、検討者の温度感のみで購入タイミングが決まるので、検討期間が短くなります。
一方、製造業の製品は、以下の理由から、検討期間が長くなりがちです。
・チームやプロジェクト単位での購入になるため、検討者と決裁者が別の場合が多く、稟議が必要になる。
・問題が発生したタイミングで急に温度感が高くなる。

(2)技術者は、自分で調べる傾向が強い

技術者は、多少温度感が高くなった簡単に問い合わせるのではなく、自身でWeb上で調べる傾向があります。
事前に複数の会社から話を聞いておいて、購入のタイミングでは、その際に得た情報を元に自身で調べて、もっとも良い製品を自身で判断して購入するということは少なくありません。
この場合、購入のタイミングで、営業がより良い提案をするチャンスを逃してしまいます。

→技術者の購入のタイミングをWebアクティビティから確認できる

MAツールでは、1度フォーム記入した方のCookie情報を取得することで、その人がサイトのどこを参照したのかが確認できます。 Webアクティビティの量をスコアリングして温度感を推定したり、確認しているコンテンツで温度感を推定することができるので、温度感の高い顧客のリストを営業に渡すということができます。

温度感の高いコンテンツの例として、「価格表」、「選び方」、「導入によるROIの改善例」などがあります。 確認しているコンテンツで温度感を推察するには、カスタマージャーニーマップを作成して、温度感の高い人が見るコンテンツを明確にしておくことが望ましいです。

理由③のまとめ
製造業の製品は、検討期間が長く、温度感が急に上がるにもかかわらず、技術者はサイト上の確認などで自己完結してしまうので、商談のタイミングを逃してしまうことがある。
MAツールなら、常に顧客との接点を持っておくことで温度感が上がった際に相談される相談になることや、 顧客の温度感の高いコンテンツへのWebアクティビティなどから商談のタイミングに気づくことが可能。

製造業に最適なMAツール

ー準備中ー

製造業にMAツールが必要な理由のまとめ

「①知的好奇心が高い」、「②絶対数が少ない」、「③検討期間が長く購入タイミングが分かりにくい」という製造業の特徴に対して、MAツールを使えば的確にアプローチすることができます。

ただし、MAツールで効果を得るには、目標を明確にして、「仕組みづくり」と「顧客に届けるコンテンツ」をしっかり作っていくことが非常に重要です。 
製造業で、MAを導入したいと考えておられる方は、是非Markethinkにご相談ください。どのベンダーにもよらない、フラットな立場でMAツールの選定や導入をお手伝いします。

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